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Making Twilight

「黒曜のトンファー」

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「お前、騎士なのに変わってるよなぁ」
 そんなあきれた声に、私は肩をすくめるしかない。

 一日の仕事を終えた宿舎でくつろいでいるのだが、同僚はすっかり酔っ払っているらしい。
 酒が入るまでは気がよくて余計なことは言わないのに、酔うと日ごろから思っていることをくどくどと繰り返し始める。
 困ったものだが、部屋に帰るタイミングを逃してしまった。
 正直うっとうしいが、邪険にしても明日は忘れているだろう。
 もうちょっと相手にしないと部屋まで追いかけてきて、扉をどんどん叩いて他の者にも迷惑をかけてしまいそうだ。
 日中に大きな戦闘を終えた後なので、それは迷惑極まりない行為だ。
 厄介なのに捕まってしまい、やれやれ、としか言いようがない。

「すでに騎士ではないよ。お前たちの仲間だから」
 辺境の自警団に属していても仕事のほとんどが魔物退治で、ギルドに雇われた者とやっていることが変わらない。
 それに貧乏小国だから辺境まで予算が回らず、経費の半分を自分たちの活動で賄っているから、国に所属しているだけの雇われ戦闘員と呼んで差し支えない状況だ。

「騎士に違いはないだろ? 女だてらにこんな辺境までご苦労なこった」
「変わっているのが欲しかったんだろう? 嫌ならいつでも言ってくれ」

 私は手にした愛用のトンファーを布で磨きながら、その黒々とした冷たい輝きに目を細める。
 これが一番変わっていると自覚はある。
 どれほど私にとって大切なものでも、剣や弓ほどなじみがない武器だ。
 騎士の称号をうけた者が扱うものではない。
 打撃だけではなく楯にもなるから体術さえ身につけていると役立つが、確実に接近戦になるから魔物相手には効率が悪く、使うものは少ないのだ。
 まぁ、人そのものをあまり見ない辺境では、武器も肩書も身分も意味を持たない。
 だから、いつでも出ていくと笑ってやったら、さすがに同僚はあわてた顔になる。

「おいおい、文句なんてないぜ。美人だし、金にはなるし、おまえの風変わりは大歓迎なんだ」
「なら、ゴチャゴチャ言わないでくれ。ぶん殴られたいのか?」

 スッと右手にトンファーを構えると、同僚は明らかに青くなった。
 震える声で、よせよ、と絞り出すようにもらし、わかりやすく動揺しながら席を立った。
 酔っ払いすぎたから寝るわ~と逃げていく背中に、やれやれと私はため息をひとつ落とした。
 生まれながらに自分が変わっていることに気がついていたなら、こんなところにいないのだ。
 私は対象を選ばずなんでもレア・アイテムに変える力があるので、戦った魔物すら活動費になると同僚たちは喜んでいるけれど。

「父上、母上」

 手の中のトンファーをそっと指先でなぞる。
 騎士の身には、不似合いな武器ではあるけれど。
 黒曜石のように黒々と輝くそれは、世界に一つしかない対の武器。
 美しいそれは、私の異質な能力の証。

 幼いころ、周囲すべてを変質させる私の異能が開花し、あまりに大きすぎて制御できずあふれだしたとき、両親は自分たちの身体を盾にして押さえこんだ。
 世界を変えようとする私の力のすべてをその身に受けて、世にも美しい黒曜のトンファーへと両親はその身を変えた。

 目に入るすべてを物質に変える驚異の力。
 使いこなせない能力など、厄災に等しい。

 父は名のある騎士で、母は高位の魔術師だった。
 誰に私が似たのかはわからないけれど、古い血を受け継いでいるのは確かだ。

 命を賭してまで「生きろ」と告げた、その想いは私の中にいつまでもある。
 制御できず傍若無人だった異能も、今はトンファーを使う時だけに限定されていた。
 無秩序に命を奪うだけだった魔の力も、人に仇なす存在だけに解放され、光として私のすすむべき道を照らす。

 大切なふたりの命が、私自身が自らを制御するための代償。
 力の使い方を誤れば魔物と変わらない私を、二人がこの世界で人として生かす。
 この世界で生を営む力弱い人のために、力を尽くした両親は私の誇りだった。

 右手は父で、左手は母。
 戦う力と護る力を宿した、唯一無二の存在。

 父上、母上。共に生きましょう。
 あなた方の生きざまに恥じぬよう、私のこの命が果てるまで。

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診断メーカーの結果から妄想

@にゃん椿3号=下級の騎士 Lv.69
名前:@にゃん椿3号
属性:光
愛用武器:トンファー
戦闘力:850
特徴:幼い頃に親をころしている
特殊スキル:あらゆるものをレアアイテムに変えることができる http://shindanmaker.com/524880

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