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「喫茶ペロリストシリーズ」
ようこそ、喫茶ペロリストへ!

第15話 いずこへ? 1

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「故ちゃんは旦那さんがおるからのぅ~大丈夫かもしれんが、椿ちゃんは気をつけた方がいいしのぅ」
 かわいがっちゃるからワシの家に泊るか? などと源さんがカカカッと笑ったら、椿さんのカップを持つ手がガクガク震え始めた。
「や、やっぱり、源さんもデリート申請を出すの! お野菜は配達抜きで、宅急便の着払いでいいからね」

 ひどいことを言いよる~などと源さんはすねたが、当然だと思う。
 いい人ではあるが、日頃が日頃だもんな。
 スカートをめくって喜ぶし、アニマルメイド服の尻尾をグイグイ引っ張るし、つまづいたふりをしながら胸をつかもうとする。
 今のところ俺が断固阻止して抑止力となっているが、見ていないところでは色々と画策しているのは知っている。
 お泊りなんてことになると堂々と浴室や寝室に入って来そうで、椿さんでなくてもお断りするのが普通だろう。
 そろそろ枯れろよ、爺さんなんだから。

「まぁ、冗談はさておき、ここにはマスターがおるから平気よのぅ。一睨みで撃退できるじゃろう」
 は? なぜ俺が出る?
 意味不明の言葉に、首を傾げるしかない。
 俺はボディーガードでもなんでもないぞ。
 確かに一緒にいる時間は長いけど、仕事以外では関係ない。

「そもそも、オーナーたちがどこに住んでるのか聞いてないしな」
 閉店後も二人はウサギ小屋やウサギルームに入り浸っていることが多いし、俺も仕事がひけると挨拶をして自室に帰る。
 オーナー二人の退店時間すら知らないのに。

「ワシも知らんのぅ」
「……源さんも?」

 なんだよそれ?
 隣の地区の生まれたペット数まで、翌日には町内に周知徹底されてるのに。
 地域大好きな人間ばかりが住んでいる場所で、そんな不思議がまかり通っていたとは。
 これだけ個人情報がオープンな場所にいて、誰もオーナーたちの住居を知らないって、そんなことがあるんだろうか?

「な~んて言っちょるが、実は一緒に住んどるんじゃろう? 両手に花か? 恥かしがる必要もなかろうに」
 ウリウリ、なんて源さんににやけた顔でツンツンと肘でつつかれて、俺は慌ててしまった。
 ありえない。引っ越した日からずっと、全体の管理は俺一人でしているはずだ。

「いや、本当に違う。そんなはずは……ん? もしかして、開かずの間に?」
 一階は店舗と水回りの仕様になっているが、二階は居住スペースである。
 階段を上がってすぐのところに「開けるな、危険」と書いたプレートがかけられている。
 そこは俺が入ってはいけない唯一の部屋だ。
 女の子の秘密がつまっていると言われたので、見たくない予感が満載で素通りしている。
 女の子の秘密など、男が見ても嬉しくないモノばかりと決まっているからな。

 それにしても。源さんの説を信じると、住居不明は本当なのか?
 確かに二階は居住スペースに設計されているけどさ。
 もしかして俺は知らず知らずのうちに、オーナーと同居していたのか?
 風呂は一つしかないのに、俺以外の使った痕跡はないけど。
 いや、のぞきたい訳じゃないけどさ。ホントだぞ

 違う、違う! と椿さんと故さんは、同居を力いっぱい否定した。
「男の人とは一緒に住めません!」
「これでもとしぃさんの嫁なのです!」

 なるほど。やはり違ったか。
 ホッとすると同時に、果てしない謎にぶつかってしまった。
 なら、この二人はどこに住んでいるんだろう?

 源さんと俺の視線に耐えかねて、故さんが口を開いた。
「僕の住んでるところは、としぃさんと一緒なのです」
 まぁ、嫁だから旦那と暮らすのは普通だが、それは答えになっていない。
「としぃさんはどこに?」
「僕と同じところなのです」

 おい……台詞が棒読みだ。
 都合が悪くなると故さんが「僕」と言い始めるのはいつものことだけどさ。
 そのわかりやすいごまかし方は、とても気になるんだぞ。

 チラ、と椿さんを見ると、ダラダラと冷や汗を流していた。
「お……お願いを聞いてくれたら、ちょっとだけ考える」
 声と同時に身体も震えている。
 そこまで怯えられるといじめている気分になるが、簡単にあきらめるわけにはいかない。
「いや……知らないと、いざって時に困るんだけど」
 非常事態が起こり携帯も通じない時に、この二人に知らせることができなくなる。

「私は困らないもん」
「僕も困らないのです」

 清々しいほどキッパリと言い切られた。
 オーナー不在で困るのは確かに俺だけだが……なんて不条理なんだ。

「たとえばぶちょーが病気で携帯も通じない時、近くに住んでいるならすぐに知らせられるだろう?」
「窓開けて、呼べば?」
「うんうん、そうすれば嫌でも聞こえるもん」

 おい……そういう問題か?
 俺一人、恥かしい目にあうじゃないか。あんまりだぞ。
 呼べば聞こえる位置にいるのは確からしいが、更に謎が膨らむじゃないか。

「ちなみに、そのお願いとやらは、なんなのかのぅ?」
 源さん、ナイス・フォロー!
 というか、オーナーから出てくるお願いはとんでもないものという思い込みが先行していた。その案そのものを、脳が聞き取りを拒絶していたようだ。
 しかも、ちょっと考えるなので、お願いを叶えても拒否されるかもしれないしな。
 サッサと聞き流していたのも仕方ない。
 もしかしたら、まともなお願いの可能性もあったのに。
 なんて淡く抱いた俺の期待は、あっけなくうち砕かれることになる。


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