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「喫茶ペロリストシリーズ」
ようこそ、喫茶ペロリストへ!

第7話 着ぐるみ☆着ぐるみ 2

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 フッと気がついた。
 背中に視線が突き刺さっている。
 痛いぐらいに感じて、ゆっくりと振り返った俺は、思わず後ずさる。
 オーナー二人が店内のウサギスペースから、じーっと俺の様子を観察していたのだ。
 その無言の圧力に、動揺してしまった。

 別にさぼっているわけではない。
 掃除は完了しているし、お客もいないから、ウサギに癒されていただけだ。
 だから、やましいことなど何一つないはず。
 窓に張り付いて俺を観察する理由に心当たりなどないから、心臓に妙な負担がかかるじゃないか。

 しかし椿さんはいつもように着ぐるみに手描きのアニマル顔マスクだから、表情がまるで読めない。
 そして俺が妙な顔をするのが面白いのか、故さんまで着ぐるみを着用し始めたのはここだけの話。
 ちなみに、二人そろって今日はパンダだ。

 先日。着ぐるみは怪しすぎるので辞めてほしいと申し入れたが、今は常連さんばかりだから平気とあっさり断られた。
 常連に怪しいと思わないぐらいその恰好でウロウロしていたのか? と突っ込む言葉を必死で飲み込んだのも記憶に新しい。

「なぜ、着ぐるみ?」
「寒い季節には、暖かいから」

 率直にして素朴な理由に、こっそりと心の中で舌打ちしたのは言うまでもない。
 今は晩秋。初冬と呼んでも差し支えない。
 温もりを感じる季節は実に遠い。
 着ぐるみを暑苦しく感じる時期まで、このままの予感がした。

 確かにお客がいる時はウサギスペースやウサギ小屋に下がって、妙なコスプレ姿を人目にはさらさないけどな。
 だが、何か間違っていると思う。
 着ぐるみに固執するなんて、忙しくなっても店を手伝う気がないのだろう。
 俺を雇ったから、とことんさぼる気らしい。

 いや、確かに契約ではオーナーも働くなんて条項はないけどさ。
 俺はしがない雇われ人のうえ、一カ月のお試し期間中だ。
 一人で全部をやりくりするなんて、この店の規模を考えたら不可能な時が絶対に来るぞ。
「そんなことないよ、着ぐるみといっても着ぐるみパジャマで、フリースやふわもこ素材だから動きやすいもん。やることはちゃんとやるから!」
 などと言い訳していたが、さすがに接客は不可能だと思う。
 というか、その姿の接客は絶対にやめてほしいのだが。

 俺があんまり嫌がったせいか、故さんまで着ぐるみになるとは。
 想定外というか、作戦ミスというべきか。
 故さんが着ぐるみパジャマにはまった理由は、椿さんとはまるで違う。
 椿さんと同じことを言われたい。
 ただそれだけだ。

 赤い眼鏡を右手の中指でクイッと上げながら、フフッと思わせぶりに笑って特別なことは何も言わない。
 見せつけるように尻尾を振り振り、俺の目の前を歩いたりする。
 右に左に、時々ターンまでしてポーズを決めていた。

 俺は当然ながら、スルーした。
 答えは見えているので、わざわざ声をかけるのは時間の無駄だ。
 わかりやすく無視したら、ひど~い、と聞こえたけれど、ひどくていい。

 なんてことを回想しながら、俺は二つほど深呼吸をした。
「なにか、用事ですか?」
 思わず改まった口調で問いかけてしまった。

「う、うらやましい~」
「な、仲間に入れてほしいの」
 なんだか二人の声が萌えた感じで上ずっている。

 ああ、なるほど。
 ウサギ喫茶を作るくらいだから、寝ウサギとの戯れは御馳走だろう。
 どうぞ、と横にずれると、二人はいそいそとウサギ小屋の中に入ってきた。

 しかし。
 二人して、ぶちょーの横にゴロンと横になった。
 あろうことか椿さんは背中と頭をアピールし、故さんはお腹を見せつけている。
 そして、期待を込めた熱い沈黙。

 これはもしかして……ぶちょーのようにナデナデしろと?
 二人とも縦に小さくてふかふか感があるので、大きなぬいぐるみがウサギの中で遊んでいると思いこめば、ほのぼのしているけど。
 本当に触ったら、セクハラだと大騒ぎするに違いない。

 俺はおもむろに立ち上がり、二人の上を踏みしめて通過した。
 キャッとかグッとか呻いていたが、そんなのは自業自得だ。

 まったくもう。
 そんな遊びにいちいち付き合えるものか。

 実に、オーナーもウサギもマイペースだ。
 ん? 俺もか?


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~ Comment ~

 

毎晩楽しく読ませてもらってるなりよ♪

Re: タイトルなし 

楽しんでもらえて嬉しいです~♪
私も楽しいだけで書いちゃったので、やっちゃった感があるから、反応がもらえただけでハッピー❤
もうちょっと続くので、最後まで楽しんでもらえるとうれしいなぁ♪
管理者のみ表示。 | 現在非公開コメン卜投稿不可です。

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