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「短編集 ちょっぴり異世界」
風のように鳥のように

第12話 ナナ 1

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 魔女と私との穏やかな時間は季節を越えていた。
 魔道と呼ばれる不可思議な力を目にする機会はなかったけれど、彼女の言葉は確実に私の物事に対する向き合い方を変えている。
 もともと本が好きで学問に対する知欲は大きかったけれど、一度得た知識を深く掘り下げる癖がつき、子供らしからぬ落ち着きを得始めていた。

 そんな目に見える変化を気がつかぬ者はいない。
 秘密の邂逅が大人の口に上り始めたことを、自分の世界にだけ目を向けている子供だった私は知るすべもなかった。
 魔女は何も言わなかったが、沖から見える入り江の砂浜ではなく自宅に私を招き入れるようになっていたから、そのことを知っていたかもしれない。
 私は師のように仰ぐ魔女に認められた証だと、喜ぶばかりだったけれど。

 ある日のこと。
 入り江に不思議な形をした箱が流れ着いた。
 魔女の家から帰ろうと扉を開けて、馬を繋いだ柱に歩み寄って、ふと砂浜を見下ろした私が見つけた。
 あでやかな光を不審に思い、魔女を呼んで一緒に砂浜に降りた。
 サラサラした細かい砂に半分埋もれるように、その箱はひっそりと打ち上げられていた。

 子供の私よりも大きな縦長の箱だ。
 木棺に似ていると、なぜかそう思った。
 見たこともない不思議な素材で、光を受けてきらめく姿は螺鈿のようにも見える。
 目を凝らしても継ぎ目一つなく、触れてみるとツルリとガラスに似たなめらかさを持っていて、ひんやりと冷たい。
 石でも、木でもない、見たこともない材質だった。
 透けて中が見えないので、空洞なのか、何かが入っているのかもわからない。

 どこかに蓋がないかと探し回る私の肩に手をかけて、少し下がるように魔女は示した。
 私が素直に従うと、魔女は白い杖の先で軽く箱を突いた。
 その瞬間、螺鈿の箱は粉細工のようにもろく崩れ落ち、サラサラと風に流れて消えうせる。


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