「ミルキィ☆ロール」
ホワイト・ノエル

第6話 ホワイトノエル 

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 契約農家から届くイチゴは粒数ではなく、一箱なんぼの仕入れになるので、ときどきそういうことが起こる。
 粒が小さくて個数が多い時には、デコレーションで手を加えられるけれど。
 大きくて粒が足りない時には、どうしようもないのだ。
 予約販売はちゃんと頭に入れているから大丈夫だけど、当日売りに支障が出ることは珍しくない。

 ちょっとだけ箱の中を覗くと、三粒あるはずのイチゴが、たった一粒。
 確かに、これでは売り物にならない。
 だけど店長らしく、残りもの扱いせずに丁寧に作られていることが分かって、素直に嬉しいと思った。

 就職してからはクリスマスにケーキなんて、一つも食べていなかった。
 そういえばここ数年、クリスマスに触れたのは、お客さまに渡すケーキばかりだった。
 久しぶりのイベントケーキが、店長直々に手掛けた特別品なんて!
 うわ、どうしよう? すごくうれしい。

「ボーナス、これでごまかさないでくださいね」
 本当は全開で嬉しいって喜びたいんだけど、ついついそんな憎まれ口を叩いてしまう。
 我ながら素直じゃないと思う。
 だけど性格なんて、そうそう変えられなし。
 可愛くないけど仕方ないや~と思いながらアハハッと笑うと、真奈美ちゃんにはかなわないな~と店長はぼやいた。

「まぁ、覚えとこう。遅くまでごくろうさん。気をつけてな」
 女の子はしっかりしてる方がいい、なんて付け足して笑った。
 よかった、店長は気にしてないみたいだ。
 ハ~イと軽く返事をして、私は店を後にした。

 寒い。
 マフラーに顔を埋める。
 やっぱり冬だな、と思った時。

「まる美」

 不意に、背後から声をかけられた。


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