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短編集 ちょっぴり異世界

右手に銃を 左手に愛を 最終話

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 お待ちかねのケーキを渡されて、アリスは愛らしく微笑む。
 フンフン♪ と鼻歌交じりに、イソイソとセッティングを開始していた。
 嵐の過ぎた店内でその様子を見ながら、ルヴィはカウンターに座ってグラスでウィスキーをチビチビとやっている。

「おい、いい加減物騒なもんはしまえよ」
 気にいったのかルヴィが右手でずっとリボルバーをもてあそんでいるので、調理をしながらカウンター越しからジークがたしなめた。
「あら、弾は抜いてるわよ? そのぐらいの節度はあるわ」
「な~にが節度だ。仕事でもねぇのにそんなもん見せびらかすんじゃね~よ」
 ケッとジークは吐き捨てる。
 身内ばかりの状態だから遊びですむけれど、自分の武器や手管を知られるのは命に関わるのだ。
 腕がいいからこそ、危ない橋を渡る率も高くなる。

「フフ、仕事ならじっくり見せつけるなんて、野暮なことはしないわ」
 クルクルと右手で銃を回してもてあそんだ後、ピタリとジークに狙いを定める。
「だからよせって。アリスがマネするだろうが」
「あら、いい女になるわよ」
 あたしが一から十まで教えてあげると請け負われて、ジークは眉根を寄せた。

 ロウソクの数を数えたり、奥からジュースやシャンパンを運び出す幼い姿に、ルヴィの弟子にするのはごめんだと不快な表情になってしまった。
「カタリーナを基準に考えるんじゃねぇよ」
 アラ、とルヴィはおどけてみせる。
「バカね、なら異国に移住しなさいよ。銃の一つも扱えないようなら、ここでは生きていけない」
 ほっとけ、とジークははじいた。
「教えるのは俺の役目だっつってんだよ」
「男寡にいい女になる方法が、教えられるわけないでしょ」
「銃を構えて偉そうに言うんじゃねぇ」
 弾は装填していないからといって気持ちはよくない。

 フフ、とルヴィは笑って懐かしそうに眼を細めた。
「バカね、右手に銃を持ってるときには、左手に愛があるのよ」
 なんだそりゃ~とジークは肩をすくめた。
「それがいい女ってものだからよ」
 そんなふうにあんたの奥さまが褒めてくれたわと、ルヴィは目を細めた。
「あたしならアリスをいい女にできるってことね」

 懐かしそうなその様子に、そういや亡くなったティリアと異様に気が合っていたよなぁ~と妙な感慨をジークは抱いた。
 正反対と言えるほど性格も容姿もまるで違うのだが、実に不思議だ。

 思い出話に転がりそうなその時。
「パパー用意できたわ!」
 明るいアリスの声が響いた。

 ケーキを中心にお誕生日の準備を見事にセッティングし終えて、腰に手を当ててニコニコと笑っていた。
 そうか、と笑ってジークはカウンターから出た。

 真っ白でフワフワと甘いクリームに、彩り豊かな果実が飾られて、豪華なケーキだった。
 歳と同じ数のろうそくに灯をともし、店内の灯りを落とした。
 厳つい常連の連中に、ちゃんと歌ってねと指揮を執る幼い姿に目を細めた。
 ハイハイとうなずく気のいい仲間にも、感謝の気持ちで軽く会釈をした。

 せっかくのクラッカーを使ってしまったとアリスがぼやいたので、ルヴィがポソッとつぶやいた。
「祝砲を撃とうかしら」
 その右手にリボルバーがあったので、だからよせって、とジークは呻いた。
 誕生祝いの景気づけに、銃をぶっ放されては店が壊れる。
 歌だけで充分だと言われて、残念ねと肩をすくめた。
 そして、ほのかに揺らめくろうそくの炎を見つめながら、アリスの号令によって明るい歌声が流れ始めた。

 老いも若きも、善人も悪人も。
 生きている全ての人に。

 ハッピーバースデイ!
 この世界に生まれてくれて、ありがとう。


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最後までお付き合いありがとうございました~♪
ちょっと異色の、ブラックでスィートなお話でしたw
ちゃんとカタリーナの話も書きたいな~いつになるだろう?
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~ Comment ~

NoTitle 

「右手に銃を持ってるときには、左手に愛があるのよ」

な~ぁんか・・ かっけぇじゃないかッッ!!(笑)

ブラックなのに、心がふわんッ^^

ぜひカタリーナのお話も読みたいわッ♪
気長に待ってるわん♪

Re: NoTitle 

akoさん、いつもありがとう(*^_^*)

このセリフ、すっごい気に入っていて、もっと突き詰めたいんだ~♪
いつかきっと! うん、がんばるわぁ☆
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