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「英雄のしつけかた」
第四章 カッシュ要塞

第105話 還る場所 2

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 オルランドは悪魔に大切な何かを全て売り渡したような、生気の薄い表情になっていた。
 王都で流行している貴族風のフリルやレースのついたシャツに、細やかな刺繍が襟元や袖口に入ったおしゃれ着を着せられていた。
 まるで王子様人形である。

 幸いなことに派手な顔立ちなので似合っていたから、お!と声が上がった。
「ずいぶん見れるようになったじゃないか!」
「いいねぇ王宮でも引けを取らん派手な顔だから、どこにでも連れて行けそうだ」

 チラッと視線を向けたがオルランドは何も言わなかった。
 無言の抵抗である。
 最低だ、と思っているのがわかる表情だった。

 そんなことにはおかまいなしに、ミレーヌはルンルン♪ としていた。
「本当に素敵でしょう? 目鼻立ちがハッキリしているとは思ってましたけど、役者さんよりも綺麗ですの! この藍色の瞳と髪の色のコントラストが神秘的ですわ。なんていい出来かしら」
 オルランドは嫌がるけどお湯で洗ったからピカピカだわと、ミレーヌはご満悦である。

「最低だ。水浴びに、湯を使うなんて」
 ボソッともらす。
 ずっと川や泉を利用していたので、湯の風呂は熱くてのぼせてしまった。

 それに派手な顔立ちも、どこの国の人間ともわからない多国籍の混在した髪や肌の色も孤独の象徴で、穢れた存在の証拠で大嫌いなのだ。
 自分のルーツを探したこともあった。
 戦争で異国からの侵略を受けた際のどさくさに紛れた副産物なのだからまともな親など存在していなかったし、この世に望まれて生まれた訳ではないと思い知っただけだった。

 それなのに、ミレーヌだけではなくここにいる全員が、利害関係抜きでもオルランドを歓迎しているのがわかって、居心地が悪かった。

 まぁミレーヌは弟という名のおもちゃを得たようなノリだし、双剣持ちも次代を育てたいだけなのだろうけれど。
 ウェルカム状態は非常に気持ちが悪い。

「大丈夫ですわよ。冬は特に気持ちがよくなりますし、すぐにお湯にもなれますわ」
 他にもおしゃれ着を取り寄せなくてはと声が弾んでいるので、オルランドは蒼白になった。

「いいかげんにしてくれよ! こんな服、動きにくいし! ねぇ! それにこの首輪外せよ。まさか、夜も一緒なんて言わないよな!」
「まぁ! 弟と夢の添い寝♪」

 うっとりしているミレーヌに、オルランドは悲鳴を上げた。
「嫌だって言ってるだろ! ちょっとは聞けよ!」
 ずっと生きたお人形遊びに付き合わされるなんて、勘弁してほしい。
 遊び手ならまだしも、人形役は最低だった。

「僕だって、もう一三歳なんだ。お姉さん、少しは貞操の心配したらどうなの!」
「嫌ですわ、わたくしは襲いませんわよ」
「だから違うって!」

 叫んだ後でオルランドは、窓際で揺りイスで揺れているサリを呼んだ。
「ばあちゃん! あんたの孫なんだから、少しは世間の常識を教えてやれよ!」
「ハイハイさっぱりしてよかったねぇ」
 綺麗になったとのどかに笑われて、そういや耳が悪いんだったとオルランドは肩を落とした。
 聞いているようで、聞こえていない。



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~ Comment ~

NoTitle 

孤独に慣れ過ぎてしまったオルランドを
柔らかい暖かな毛布で包んであげてね(´;ω;`)

ッテカ・・
うん。そろそろ首輪ははずしてあげて(´・ω・`)

ミレーヌ様・・。
オルランド独り占めでずるいわぁぁああ!!(ソコ? 笑)

Re: NoTitle 

akoさんにこんなに思われて、幸せだな……オルランドww
首輪、可愛いと思うんだけど(笑)←オイ

108話が最終話なので、あともう少し!
最後まで楽しんでね(^▽^)
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