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「交換詩・贈答物語 七色の海」
虹色金平糖

2 旅立つ想い

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そよぐ風に 揺れる波
コルクの栓に守られた
儚くても色鮮やかな虹色金平糖

小さな小さなガラス瓶は
遠くはるかな浜にたどり着きます



モザイク色に輝く南の国の砂浜で
風に緑の葉がざわめいている
たわわに実る椰子の木陰で
うつむく褐色の肌をした子供

打ち寄せられた小瓶を拾い
熱い太陽にかざし見て
思わず微笑みをもらします

これは虹色金平糖
まるで夢色サンゴの欠片のようだと

口に含んだ優しい甘さは
慰めの旋律を運ぶようで
優しい少女の歌声が溶けだすように
ふわりと胸に響いたのです

少年は白い歯を見せて笑った後で
自分の歳の数だけ拾った小さな貝殻を
ガラスの小瓶に詰めました

生れたばかりの兄弟に手を取られ
母との会話が減っていた
そんな 少しの淋しさを
君の甘さに癒されたから
僕の微笑みを伝えておくれと
小さく感謝の歌を口づさみ
ビビットブルーの海に託すのです



強い風にほんろうされる
ガラスの小瓶が辿り着くのは
白い砂塵が吹き荒れる
荒野に近い灼熱の浜辺

ギラギラとした太陽に焼けぬよう
魚鱗をうすく削ったゴーグルをつけ
目深なフードで日差しを避けながら
老いた駱駝を友にして
とぼとぼ歩む女が一人

旅する仲間が身を固め
祝いの言葉を残して別れたけれど
どこか寂しい道行になり
ポツンと転がるためいきの欠片

ふと気がついて輝く小瓶を拾い
儚い色した優しい色彩に
フワリと笑みを浮かべます

乾いた空気と灼熱の日差しが降り注ぐ浜辺に
不似合いな淡い色した虹色金平糖

少しとろけた儚い甘さに
次の宿場で私も恋をしようかと
切なく甘い夢を見るのです

仲間の幸せを祈る私に
安らぎに似た新しい出会いが訪れるでしょう

きっと大丈夫だと囁いてくる切ない甘さ
音のない少女の祈りが胸に響きわたるのです

繊細な甘さで慰めてくれた君に
そっと私の夢を伝えてほしいのと
女は荒野で摘んだ花弁を詰めて
ガラスの小瓶を白くはじける波に託します



少女の祈りを込めたガラスの小瓶
たくさんの優しく甘い祈りを
さらう波 運ぶ波
数多くの人の手に届きます
幼子も 青年も 老人も
ほんの少しの甘さを胸に響かせ
ほんの小さな感謝の気持ちを
再び海に託すのです



ガラスの小瓶を拾ったけれど
つまらぬものだと肩をすくめる紳士が一人
その指には大粒の宝石
金糸銀糸で刺繍がほどこされた絹の衣裳をまとっています

夏の名残りを見つけようと浜に出たけれど
素朴な色した砂糖菓子にため息をつき
ただ捨てるよりはマシだろうと
持ち帰ったガラスの小瓶を
街角で歌う吟遊詩人の少年に施します

足早に立ち去る豪華な衣装の紳士を見送り
少年はガラスの小瓶を陽にかざし
金貨銀貨よりも美しく綺麗な宝物だと
虹色金平糖を胸に抱きます

一粒口に含めば響き渡る少女の祈り
声のないその旋律に
少年は胸に抱いた竪琴をかきならし
贈ってくれた少女へと想いをはせるのです

この甘さや優しさが伝えてくるのは
まだ幼さを残している祝福に似た姿
キラキラと輝いて透き通るような少女の心
金平糖から伝わってくる
儚い微笑みとその優しい願いは
少女の心根そのままなので
少年の胸は鼓動を速めます

この豊かな味わいの砂糖菓子は
語ることができない枷まで届けてしまい
情感豊かな少年の胸に募るのは
金平糖を生み出す少女への想いばかり

届かぬ声や伝わらぬ言葉は悲しいもの
辛くて寂しい想いをしていないだろうかと空を見て
やわらかなぬくもりのある金平糖の味に
穏やかな気持ちでいるのだろうと微笑むのです

少年は夕焼け空を見て
僕には贈りかえす物はないけど
どうか届けてほしいと歌います

空っぽになったガラスの小瓶に詰めるのは
金平糖に似た祈りへの感謝と
星の砂に似た少年の歌声と
虹色金平糖よりも鮮やかで甘い恋心

形のないその想い
誰にも見えぬその空気
だけど金平糖の少女には伝わるはずと
コルク栓をこぼれ落ちぬように堅く締め
大きな川へと歩み寄り
穏やかな流れに託します

僕は今から旅に出るから
一足先に伝えてほしいと祈りを込めるのです

緩やかな大河の流れに乗って
真っ青な海原を旅をして
ガラスの小瓶は少年の想いを運ぶのです

遠ざかる小さな願いを見送って
少年は歩き出します

行き先は知らないけれど
少女の居場所は きっと海が教えてくれる
寄せる波も さらう波も
祈りを運ぶ大きな存在
言の葉の海を越えて
旅する僕を導くだろう

小さな君が大人になる前にたどりつくよ
僕と一緒に歌をうたおう
どうかそれまで待っていてほしいんだ

優しい祈りの唄を歌い続ける
君を「シュガー」と呼ぶ日まで


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