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【  2015年06月  】 

その果実は甘く 後編

短編集 恋の卵

2015.06.01 (Mon)

  次の日、皇子が喜び勇んで持ってきたのは、二階から下に落とせばぶつかった人の首が折れてしまいそうな分厚い辞書だったが、優秀な補佐官が慌てたように追いかけてきて回収された。 代わりにおかれたのは、美しい挿絵の絵本だった。 絵本にちなんだ菓子もグレン様に押し付けたので、かなりできる男だ。 あの補佐官は女性にもてるだろうなぁと思ったら、すでに妻帯者だった。 やはりそうなのね、と思っていたら、グレン様は絵...全文を読む

言葉にできない

詩集 ヤマアラシのジレンマ 4

2015.06.05 (Fri)

 悲しいところにいれば寂しいところにいればこれ以上 傷つくこともないしこの先も 変わらず生きていけるし誰にも触れられたくない涙も誰かに救い上げてほしい気持ちもふんわりとした夜に溶けてこのまま簡単に消せる気がするのですそんな弱々しい逃げるための言い訳さえ忘れあなたの笑顔に出会うと私の中にある感情が あたたかくふくらんでこの胸の奥で トクトクとここに心があると 強く自己主張好きとか嫌いとか よくわからな...全文を読む

SKY

短編集 恋の卵

2015.06.07 (Sun)

 「ねぇ、美鈴ちゃん。俺と付き合ってよ」 音楽室の窓枠に腰掛けたまま、高梨君はそう言った。 私はピアノを弾く手を止めて、彼を睨みつける。 冗談にしてもたちが悪い。 顔を合わせるたびに同じことを言うので、さすがに私も苛立っていた。「榊先生、でしょう?」 クスリ、と彼は笑う。 高校二年生ののびやかで成長途中の身体は、窓の外に広がった青空のようにまぶしくて、私は目を細めた。 白いシャツが爽やかに浮き上がり...全文を読む

不思議とね

詩集 ヤマアラシのジレンマ 4

2015.06.07 (Sun)

 すぐに怒っちゃうし簡単に泣いちゃうし思わず突き飛ばしちゃうから逃げだしたいのに転んじゃうやわらかなスカートなんてヒールの高いパンプスなんて私には無理だから ズボンでいいのないものねだりをされると苦しいからなんにも期待しないでほしいのよ なんて泣き笑いの顔をしているから 素直さが愛しくて本当に君はかわいいねって 言ってしまいたいけど 僕は素直じゃないし言ったら驚いた君が 逃げ出してしまうだろうから温...全文を読む

好きなのかもしれない

詩集 ヤマアラシのジレンマ 4

2015.06.11 (Thu)

 いつもなら 引っかからないことになぜか気持ちがつまずいてしまって上手く流せない自分が嫌になるし理由もないのに 気持ちがささくれて大きな声をあげて 不意に泣きたくなるだけどあなたのことを思い出すとなんとなくなんとなく涙が透明に透き通ってくる気がして思い切り泣いたあとで ちょっと笑ってみようなんてとても不思議な気持ちになるのこれってもしかしたら あなたが好きなのかもしれない...全文を読む

カタツムリ

詩集 ヤマアラシのジレンマ 4

2015.06.17 (Wed)

 降りしきる雨の中傘もささずに 参りましょうかどちらまで行きなさる?そんな優しい声かけにクスリと笑って 会釈を返し足の向くまま 気の向くままと行くあてもなく 歩きましょうかチャプリと音をたてる水たまり広がる波紋は 幾重にも丸く揺らいでいるわ雨はシトシト 降るけれど不思議と香りを濃く浮き上がらせる甘いクチナシ ほのかな薔薇は可憐で薄い花びらをしっとりと濡らしあなた様の心まで 花の香りで満たすでしょうか...全文を読む

君のうた

詩集 ヤマアラシのジレンマ 4

2015.06.19 (Fri)

 とがっているへこんでいるなやんでいる悲しんでいるくちびるを固く引き結び朝やけに眼差しをあげるたまに足元は見るけれど見つめ続けるのは いつも前まっすぐに ただひたすら まっすぐに前を見る涙は見せても 止まることを知らないそんな君の詩を 今は歌おう...全文を読む

風鈴

詩集 ヤマアラシのジレンマ 4

2015.06.20 (Sat)

 あなたはいつも 何も知らない顔で明るくカラカラと 笑っているからお気楽な人だと からかわれているけど悲しいことも 苦しいこともぜんぶぜんぶ 知っているから大丈夫って 簡単に言えなくなって大丈夫って 単純に思えなくなって適当なことを言ってその場をごまかすぐらいなら明るく笑うお気楽な人でいたいと願い何も気付いていない顔で 力強く立っている朗らかな笑い声は吹き抜ける風みたいでチリンチリンと 風鈴みたいに...全文を読む

君への道

詩集 ヤマアラシのジレンマ 4

2015.06.21 (Sun)

 好きだって言っていいかな?逢いたいって言っていいかな?どこにいたってさたとえば地球の裏側だってさ君へ向かう気持ちがあふれたら今すぐにでも逢いに行けるんだ遠くないよ 難しくないよ何も考えずにさ扉を開けて まずは一歩踏み出せば君に向かって どこまでも道は続いている...全文を読む

SKY ~狂おしいほど、君に~ 1話

短編集 恋の卵

2015.06.23 (Tue)

  白と黒の鍵盤に指先を走らせる。 女性にはキーが低めなので、歌わずに軽くハミングするだけ。 爽やかな旋律とともに、胸の奥で広がるイメージ。 真っ青に晴れ渡る空の下。 君に逢いたくて、逢いたくて。 フルスロットルでスクーターを走らせる。 叫びたくなるSKY。 真っ直ぐに君へと続く道。「先生、その曲、好きだね。私も好きだった~懐かしい」 私はピアノを弾く手を止めて「うん」とうなずいた。 朗らかに笑う彼女...全文を読む

SKY ~狂おしいほど、君に~ 2話

短編集 恋の卵

2015.06.23 (Tue)

  空があんまり青いから、今日はやけに高梨君を思い出す。 居酒屋にでも立ち寄りたい気分の金曜なのに飲むなら家に帰るしか選択肢がない。 車で市内に出るにも一時間以上かかるので、代行運転を頼む気にもならない。 山のふもとにあるコンビニまで車で片道二〇分かけて行き、山道の運転にもずいぶん慣れたなぁと思いながら自宅に帰る。 ここに赴任するまではほとんどペーパードライバーだったことを思い出し、クスリと笑ってし...全文を読む

SKY ~狂おしいほど、君に~ 3話

短編集 恋の卵

2015.06.23 (Tue)

  成り行きで泊めることになってしまったけれど、高梨君にしてやったりの調子はなくて、夕食を食べ終わってもまだ落ち込んでいた。「いい加減、元気出しなさい」 ホラお風呂、ホラ布団しいて、と矢継ぎ早に指示を出して、後は寝るだけと用意を整えた。 そして、じゃぁねと別の部屋に行こうとしたら、手を掴まれた。 グッと引き寄せられて、抱きしめられる。 冗談はやめて、と突き放す腕に手を入れかけたけど、高梨君の声が耳元...全文を読む

夜はいつも

詩集 ヤマアラシのジレンマ 4

2015.06.26 (Fri)

 夜はいつも優しいから静かに目を閉じて あなたを想うおやすみなさい おやすみなさい聞こえてくる風の子守歌にまどろみながら明日また 笑顔で会うためにあなたを想いながら 夢の国へ旅立つわ...全文を読む

君の声なんだ

詩集 ヤマアラシのジレンマ 4

2015.06.26 (Fri)

 一日の終わりになんとなく寂しくなってため息を打ち消すような優しい曲を選んでみたけど鼓膜を震わせるかすれた甘い歌声よりも君からの不意の電話が嬉しくて「用事はないの」なんて気にする必要はないんだいつも いつも僕を癒すのは君の声なんだ...全文を読む

君だけに愛されたい

詩集 ヤマアラシのジレンマ 4

2015.06.27 (Sat)

 大丈夫だと笑ってなんでもないと平気なふりをしてなにもなかったように 過ごしているけれど 誰からも愛されたいなんて嘘だあいつにも こいつにも憎まれていい薄っぺらい笑顔を張り付けていい人ぶったって仕方ないじゃないか僕はただ 君だけに愛されたい...全文を読む

共有できない

詩集 ヤマアラシのジレンマ 4

2015.06.28 (Sun)

 気持ちなんてあやふやなものくっきりとした形にならないから言葉にもうまくできなくて 伝えられなくて困るよ自分自身の不出来さにがっかりしたらあなたはカラカラと明るく笑いとばして発信できないその想いは君だけのものだね、なんて うらやましそうにつぶやくからこんなふうに あいまいなまま不確かな気持ちを 抱いていてもいいでしょう誰とも共有できない想いは 私だけの喜びに似てあなたの肩に頭を預けながら そっとより...全文を読む

僕はまだ

詩集 ヤマアラシのジレンマ 4

2015.06.29 (Mon)

 君はもう じゅうぶん頑張ったよなんて 笑いながら簡単に言うな確かに 一生懸命頑張ったし思いついたことは何でもやったさ結果より過程が大事だって過程が経験になるんだってそんなことわかっているけどだからって結果が出なくてどうするんだよもう充分だなんて諦めてもそれが許されたみたいに聞こえてうるさいって八つ当たりしたくなるじゃないか君が味方だって言うなら僕は まだこれからだって背中を押して送り出して欲しいん...全文を読む

あなたの楯に

詩集 ヤマアラシのジレンマ 4

2015.06.30 (Tue)

 例えばこの先あなたと諍いを起こし 憎み合いながら別れいつしか僕の存在を忘れてしまったとしても今の僕にとってあなたは誰よりも優しくて大切な人たとえ未来の僕が君を忘れてもこの言葉はあなたの心に深く息づくはず無責任かもしれないけど泣いてしまうことが起こっても傷ついてしまう言葉に打ちひしがれても大丈夫 大丈夫 きっと心から笑う日が来るからあなたは笑い 愛されるために生まれたんだよ幸せを祈る僕の言葉が あな...全文を読む

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猫乃あお

Author:猫乃あお
はじめまして!
基本はほっこりで、自分ペースで楽しんでいます♪
恋愛・日常・友情などをテーマにした、オリジナル小説や詩も掲載しています。
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※無断転載・無断引用を固く禁じます。

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