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虹猫椿

まったり恋愛・日常・友情などをテーマにした、オリジナル小説や詩も掲載しています。お気軽にどうぞ♪

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ご無事でしょうか? 

未分類

降り続く大雨で、昨夜は警報が鳴りっぱなしでした。
幸い、何事もない場所にいましたので、いつもと変わりない朝を迎えられました。
こういうとき、引きこもりってとても不便で。
気にかけたからって何かが変わるわけでもないのを知るばかりです。

まだまだ雨が続きそうなので、安全優先でお過ごしください。
みなさまもどうか無事でありますように!
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こんばんは♪ 

未分類

梅雨明け宣言はまだですが、毎日暑いですねー>w)
すでにエアコンが活躍中です;;
慌ただしく過ごしているうちに夏が来てしまいました。
リアルが充実しているのでネットのない生活も意外といけるものだなと思いつつ、毎朝の挨拶がなくなるのは地味にダメージだったり(苦笑
うん、マジでそこがしんどいw
自分の我儘加減にどんまいですわ~ちょうど良いネットとの距離感って難しいです。

色々メッセージをいただくたびに、自分がどんな言葉を紡いでいたのか振り返ったりしています。
まだまだ新しい言葉は浮かんでこないのですが、焦らずゆっくり充電♪
織物が楽しくて、織り機が欲しいのですが、セットでそろえると20万近くなるので、せこせこ貯金をしてます。
ただ、織りものって一点ものになるので、まだ気持ち的に公開に抵抗感を感じたり……小説サイトものぞくと少々しんどかったり=w)
ちょうど良い楽しさもボチボチで探そうと思っています。
暑くなって体調を崩しやすい時ですので、皆様もお身体には気をつけてくださいね!

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ありがとうございます! 

未分類

メッセージ、ありがとうございますー!
朝方の地震ではそれなりに揺れましたが、西日本でも幸い被害のない地域でしたので、当たり前の日常を過ごせています。
御心配をいただきながら、ふっと関西に住まれている人を思い出し、電車の中だったのでは? などとおろおろしてみたり。
自分から引きこもったのに、気になる自分勝手さに頭を悩ませるのですが、うん。とにかくもう、知っている人も、知らない人も、無事ならいいです。
元気ならいろいろできることもあるのです。
みなさまも御無理なさいませんように!

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ありがとうございます♪ 

未分類

おひさしぶりです♪
あたたかなメッセージ、ありがとうございます(*^^*)
またいつかあいましょうって、希望があって、とても好きな言葉です。
自分がすごく恵まれた人間なのだな~と実感中です。
逢いたいーとか、つながりたいーとか、気持ちがわいてきちゃいます♪
ちょっとネットにつながれるようになっただけで調子に乗るな、ですよね;;

調子に乗って今すぐ何もなかったように(オイ)つながるのは簡単なのですが、まだ、語らずにはいられない好きなことやすごいことを見つけていません。
色々考えてはいるのですが、ちょっと休んで元気になったつもりでも、これだけは伝えたいんだって何かがないと、すぐに気持ちがポキンと折れてしまいそうなので焦らないことにしました。
気持ちが疲れやすいところは残っているので、たぶん、まだまだ心貯金が少ないんだと思います。

今は休むと決めた時のすごく疲れた自分を忘れずに、冬まですごいなにかを探そうと思います。
その何かが見つからなくても、それだけ色々チャレンジしていれば、心元気もたまるよね?
夏を過ぎて、冬が来るまで、楽しい事・面白い事をたくさん集めますね♪

本当にありがとう!
またいつか、お会いできる日を楽しみにしています♪

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メッセージ、ありがとうございます♡ 

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お久しぶりです。
実を言いますと、webからいったん距離を取った日から、ネットにつながることそのものが今現在までなくて、こうして関わる事そのものが本当におひさしぶりです。
特に何かが起こっている訳でも、何か良くない事が現在進行形であるわけでもないのですが、ネットで他人に関わる事にとても疲れてしまいました。
著作権などを手放す気はないので、管理の仕方も考えなければいけないのですが疲れてしまって、こうしてアクセスするのも久しぶりです。

離れている間に温かなメッセージをいくつかいただいていて、メッセージが届いているとは思っていなかったので、すごく驚いています。
ありがたくって、嬉しい気持ちでいっぱいです。
今、とても疲れていて、なにもお約束できませんが、いつかまた誰かと関わりたくなる日が来ると良いなぁと思っています。
いつまでのお休みになるかわかりませんが、いつかまた、どこかでお会いできたらうれしい。
お心遣い、ありがとうございます。
皆様のご多幸をお祈りしています。

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失敗してた 

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予約投稿の日付を間違えていた事に、今まで気づいてなかった……(っω・`。)
ひさびさに書いた小説なのに、なにをしているんだ、私は。
修正しました。

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とうとう花粉が今年もやってきた
春だ…ふきのとうが売られていたので、びっくりした。

綺麗なものを見たり、美しい言葉を聞いたりしたいなぁ。
そうではないものをたくさん見すぎてしまって、今、そういう見たくないモノから離れると色々シャットダウンすることになって、綺麗なモノや美しいものも目に入りにくくなってしまう。
どうでもいいものって、なぜか目につくよね。
染まってんのかな、i以前関わったえげつないものに…もう関係ないし、関わりたくもないから、食器の汚れみたいにゴシゴシ洗い流せればいいのに。心の洗剤が欲しい。
もっと綺麗なモノや美しいものを見たり聞いたりしたいなぁ。

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ひとまず 

未分類

今月中にお金返ってくる事になって、期日すぎに確認するまで信用できないなーと思いながら、まぁ大丈夫だろうと考えてみたり。
お金が関わる問題って、信用とか信頼とかそういう部分をガリガリ削るよな。
その当事者になってる相手だけじゃなくて、不特定多数に対しても、お金を介在させても大丈夫だよねってぐらい他人を信用する力がなくなるというか。
契約とかそういうのも、状況が大変な時なら期日すぎてもある程度は許容するし、急いでないものなら待つのも苦ではないけど。
ちゃんと文書で契約更新するとか、そういうのをしないと不信感を育てるだけになるね。
思い出すとイライラするけど、特定の小説サイトにあげた作品に対してイラスト依頼してるのに、期日ぶっちぎって契約更新もなぁなぁになのを棚上げして、特定のサイト利用を一時やめて別サイトを匿名で使えとか、気分転換しろとか、意味わからん。
気分は滅入りがちだけど、新しい創作の話をしたり日常の楽しい探ししてるのに、気にいらないからって他人の活動にケチつけて何が楽しいんだろ?
イラスト依頼の契約も入金もぜーんぶなかったことにして、永遠に描くつもりなくて、金払っただけで終わるのかーってその瞬間思って・・・そんなつもりなかったとか言う予想はついてるけど、ネット上でであった人って踏み倒したり踏み台にしたりする人間ばっかりだから、そういう人しか存在しないって幻滅思考に染まっちゃうよね。
契約文書にはしてないけど、小説サイトの公募に応募に合わせてイラスト描きますーって言ってたの、真に受けた私がアホみたいだ。文書にしてないから、知りませーんで終わりなんだろうな。
他人つてに「心配してたよー」って聞いたけど、心配ってなんだ?w
見たくない・聞きたくない・思いだしたくもない事に関連する話なんてどうでもいいのにえぐり倒して、イラスト使う予定のないサイトで活動しろとかけしかけておいて、心配w くだらない心配する間に、契約更新文書ぐらいよこせばよかっただろーに。
ほんと、なんか色々とつまんない人間関係で感性が穢れきっちゃったので、魂の禊をしたい>w)
まぁ、もうどうでもいいや。
返金あったら、くだらないネット関係はほぼ清算できるから、ボチボチペースで開運する予感。

(追記)
期日通りに返金あった。
払うときは今週末までとか言うのに、返すのは一ヵ月半か~と思ったけど、返す気はあったのね。
関わりたくないから、もうどうでもいいや。
とりあえず面倒なものは全部やめた。
ずいぶん錆びついて汚れちまったから、少しでも楽しく感じるものを探そうと思う。

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そして魔女は旅に出る 最終話 

Making Twilight

 チュンチュンと小鳥がさえずる平和な朝がきた。
 吹き飛んだ屋根は綺麗に焼失し、澄みきった青空が天井代わりに広がっている。
 空だけ見ればここちよい一日の始まりである。
 しかし、開催されているのは反省会だった。

 「で? この落とし前、どうつける気だい?」
 イライラと尖った幼い声はやけに圧力があり、寝起きで頭がボサボサの大人三人が沈痛な面持ちのまま肩を並べて、床にちんまりと座っていた。
 椅子に座ったままブカブカの袖をうるさそうにたくし上げ、十歳にも満たない少女は手にした杖で並んだ頭をゴンゴンゴンと順番に殴りつける。

「このクソガキどもが! あたしの老後を返しな!」
 そう、怒っているのは姿こそ幼く変化しているものの、偉大な魔女その人である。

 軍勢が去った後で瓦礫をできるだけ片よせ、かろうじて無事だった台所で、精いっぱい手をかけてもてなしの料理を作ったのは昨夜のことだ。
 田舎料理ではあったがありったけの食材を使って、思いつく限りの料理を食卓に並べた。
 弟子たちが持ち込んだ銘酒の数々も封を切り、ひさびさに酔いに身を任せた。
 加齢で鈍く痛みはじめていた膝も、自宅を失った不安も、気持ちよさに溶けていく。
 笑い声の絶えない良い宴会だった。

 やれやれ、家を壊しちまうなんて困ったもんだねぇ……と思いながらも、昨夜の魔女は幸せだった。
 家は失ってしまったけれど、どこにいても弟子と自分との関係は変わらない。
 おそらく、一生の宝物になる時間だと、心からそう思っていた。

 ほろ酔いで気分良く眠り、目が覚めたらコレである。
 驚くほど魔女は若返り、子供の姿になっていた。
 幸いなことに変化したのは身体だけで、記憶も精神も老齢の魔女だった。
 これで記憶まで飛んでいたら、想像だけで鳥肌の立つ恐ろしさだ。

 目覚めてすぐに異変に気付き、さすがの魔女も驚きの声を上げてしまった。
 その声で次々に目覚めたジークたちも魔女の姿を見て青くなったが、狂乱する一同の中でたった一人だけ「か、可愛いー!」と叫ぶ人物がいた。

 ルリと名乗った治癒師である。
 長身で均整のとれたマッチョで顔立ちも綺麗なのだが、言葉にしがたい派手さがあった。赤く爪を染めて濃いルージュを唇にさし、話し方も色っぽくシナをつくるので性別を越えた存在感を持っているのだ。
 男も女もどっちも好きだけど、あたしにはドレスが似合うと思うの。なんてどぎつい事を、今日の天気を語るように言い放つ。
 身につけているのも華やかな色彩の女物で、混戦の中では野太い声を上げて昆をふり回し、兵士たちをなぎ倒していた猛者と同一人物とはとても思えない。
 格闘もできる治癒師は需要が高いのに、ジークと出会うまで一人旅をしていたのは外見と性癖のせいだろう。

「ほら、まあ……子供になっちゃったものは仕方ないしさ。魔女様がいれば心強いじゃない? あたちたちと一緒に旅に出るとか、ダメ?」
 ダメ? とかそういう問題ではないぞと、一同から無言の圧力がふきだした。
 しかし、周りから向けられる白い目も気にせず、ルリは嬉しそうに両手を組んでくねくねと身体をよじらせている。
「美少女と一緒に旅なんて嬉しいー! あたしが衣装も選んであげるね♡」
 今にもスキップしそうな浮き立った様子に、こいつが元凶だと誰もが思った。

「おい、てめぇ……なにをした?」
 キリキリ吐きやがれ! とジークがつかみかかってその首を絞めると、ルリはあっさり白状した。
 グダグダに全員が酔っ払った頃を見計らい、遺跡で発見した若返りの小石を粉にして、魔女の飲んでいる酒にちょっとだけ混ぜたのだと言う。

「ほら、私ってまだ若いじゃない? うかつに飲んで生まれる前まで戻ったら消えちゃうもーん!! 魔女様ならちょうどいいところで止まると思ったのー! ごめんなさーい!!」
 とんだ言い訳である。
 魔女が杖でルリの頭を殴るよりも早く、ジークが飛びかかって取っ組み合いがはじまった。
「俺のババァを返せー!」

 響いたジークの叫びに、魔女はこめかみを指で押さえた。
 確かに身体はババァではなくなったが、この世から消えたわけではない。
 つかみあってジタバタともがき暴れる様を見守るだけでも疲れるのに、冗談みたいなやり取りが飛び交い耳まで疲れる。
「一体いつ、あたしがお前のものになったんだい?」
 ぼやいたけれど、聞く者はいなかった。

「ケンカ、ダメ」
 ドルムと名乗った斧使いの戦士が、ジークとルリの間に仲裁として割って入る。
 亜人の血を引いているらしく浅黒い肌はうろこ状で、背も低くがっしりした体格をしている。
 無口な性質というより舌の形が人間と少し違うようでうまく発音できず、話すのは苦手らしいが多彩な言語を理解してる理知的な男である。
 昨夜の見識深い語らいは魔女の心をずいぶん和ませてくれたし、良く見ればルリも耳の形や瞳の虹彩が人とは違い、装い方は上手だが半魔の血筋なのだろう。
 まっとうな普通の人と暮らしたことも少なそうだから、常識が違っても仕方ないかもしれない。
 ドラゴンの時といい、旅の仲間といい、ジークは人ならざる者と縁があるようだ。

 やれやれと魔女は肩をすくめた。
 良い弟子が、良い仲間を連れて帰ってきた。
 良い話で終わるはずだったのに。
 阿呆の弟子の仲間は、やっぱり阿呆だった。

 阿呆の弟子の師匠は、輪をかけて阿呆な存在かもしれないけれど。

 いつ終わるともしれない取っ組み合いを続ける三人をほっておいて、魔女は家の外に出た。
 半分崩れて形ばかりの扉を開け、見慣れた風景をそっと見降ろした。
 視線の高さはずいぶん低くなったけれど、小高い丘の上に立つ家からは草原の果てまでよく見える。

 魔女は自分の腕を軽くさすった。
 馴染みのない、小さな腕だった。 
 みょうちきりんな粉のせいで若返ったけれど、効力がいつまでもつのかもわからない。

 明日には老女に戻るのか?
 それとも、幼女から着実に年齢を重ね、再び老女になるまで生きることになるのか。
 わからないことだらけだ。
 もっとも、魔女はどちらでもよかった。

 青い空。緑の丘。
 赤い屋根は消えたけど、愛しい我が家。
 偉大な魔女と呼ばれた老女が、終焉の地に選んだ愛しい場所。
 サヨナラだ、とその景色に短く告げた。

 この世界には魔女の知らないモノであふれている。
 美しい、この世界を心に焼きつけられたら、それで良い。
 今の心はその姿と同じく、未知に惹かれる少女に戻っていた。

 見たい、聞きたい、知りたい。
 尽きることない未知の世界への渇望は、歳を経ても消えていない。

 偉大な魔女は冒険に明け暮れた。
 戦いも冒険も、弟子とその仲間に任せて、強欲な魔女と呼ばれるまで、世界を渡り歩くのも悪くないだろう。

 仲間はいる……可愛い弟子も。
 この足が動き続ける限り、彼らと一緒に歩いていこうと決めた。

 風が誘うように頬をなでて過ぎていく。
 貪欲な笑みを浮かべる魔女は、未知を訪ねる新たな旅に出るのだ。

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そして魔女は旅に出る 3 

Making Twilight

 赤い屋根に白い壁。
 小高い丘の上に建つ小さな家に、魔女は一人になった。
 なんてことはない。
 弟子の来る前の生活に戻っただけである。 
 しかし、すぐにもと通りという訳にはいかなかった。

 夜中にカタリと音がすれば、弟子が戻ってきたのかと目が覚める。
 食事を今までのように作ってしまい、誰がこんなに食べるのだとため息をつく。
 レースやリボンを取り出す元気もなければ、華やかな色のワンピースを着る気にもならない。
 白銀だった髪も初雪のように白くなり、食事の量もめっきり減ってもともと痩せていた身体が一回り小さくなった。
 弟子が人型に突き破った扉の穴は適当に板を張ってふさいではいたが、見た目の悪さよりも感慨深さが勝って直す気になれなかった。

 木苺を摘んでジャムを作っても、目を輝かせていた弟子はもういない。
 日溜まりで編み物をしようとしても気がのらず、弟子が調子に乗って拡張しすぎた畑を維持するために、動きやすい服を着てせっせと野菜を育て続けていたが、張り合いがないねぇ……なんて気が抜ける。
 農園はいつも豊作だったから良い値で野菜が売れているし懐はいつも潤っていたけれど、すでに老後も終盤である。使うあてのない貯蓄が増える一方でどこかむなしい。

 弟子が旅立って半年ほど経ったころだ。
 弟子からの便りが届いて、シャッキリと魔女の背筋が伸びた。
 小箱の中に入っていたのは初めて見る植物の種。
 手紙には「拾った」と短く書かれているだけだった。そっけないにもほどがある。
 怪しさ満点で毒々しい色の種は魔女の知識欲をくすぐるにはちょうどよく、弟子が元気にやっているのがわかって安心した。
 この種がどう育つのか、むくむくと気力がわいてくる。
 種が発芽するかわからなかったが、植えると同時に魔女の好奇心が芽を出した。
 色を失っていた魔女の日常は、鉢植えにした種を見るほどに明るい色彩が戻ってくる。

 弟子は旅に流れているので魔女からは便りを送ることはできなかったけれど、それからはワイバーンの配達人を楽しみにするようになった。
 弟子は意外にも筆マメだった。
 歴史深い国からであったり、独立したばかりの新興国からであったり、弟子はふと思い出したように便りの小箱を届けてくる。
 遠い町から届く手紙にはとてつもなく短い言葉がつづられており、同封されている珍品からは豊かな旅の匂いがした。
 変な彫り物だったり、小さな装飾品だったり、選ぶ基準が魔女とは違いすぎて、弟子の趣味は良くわからなかったけれど、立ち寄った土地の特徴は見て取れる。
 かつて旅したことのある土地の品は、特に魔女の心をくすぐった。
 知っている場所も、知らない場所も、想いを飛ばせば胸の奥が華やぐ。

 どれほど長く旅しても、自分が半人前だと思い知るばかりだと、彼はいつ気付くだろう?
 老境を迎えても自分がなお未熟であることを、弟子の便りで知るのも魔女の喜びだった。
 かつて旅に生きた魔女ですら、この世には知らないことが多いのだ。
 自分の若いころを思い出しながら、魔女は楽しい気分で弟子の歩む先を夢想した。

 旅は良い。
 楽しいことばかりではなかったけれど、足を前に運びさえすれば目新しい楽しさに出会えた。

 一年経ち。二年経ち。
 三年を過ぎる頃から、弟子の手紙が変化を見せる。
 費用は出すから海辺の町に遊びに来いとか、東の果てにある山のふもとに面白い祭りがあるから行ってみろとか、魔女に遠出の誘いをかけてくるのだ。
 半年に一度だった便りが、一カ月に一度になり、毎週になり、四年を過ぎるころには毎日と変わらぬ勢いになる。
 ホームシックなら顔を見せればいいだけなのに、遠くに行け行けと誘うばかりであるし、指定する場所も毎回違う。

 さすがに魔女も頭を悩ませた。
 これは他に理由があるのではないか?
 弟子とともに育てていた畑を放っておくのは気が進まないけれど、一度ぐらい誘いに乗ったほうが良いかもしれない。
 野菜を売るのも業者が日を決めて直接ワイバーンで引き取りに来るし、めったに出歩かない魔女は世界情勢にはうとくなっていたので、想像にも限界があって弟子の真意がわからない。

 まぁいい、とすぐに気持ちを切り替える。
 可愛い弟子の誘いにのればわかることだ。
 魔女もずいぶん歳を取ったから、これが最後の旅になるだろう。
 いそいそと荷物をまとめ、明日に備えて早めに目を閉じた。

 ぐっすりと眠っていたが、早朝、フッと目が覚めた。
 かつて冒険に興じていたころに培った勘が異変を告げる。
 いつもうるさいぐらい聞こえてくる小鳥たちの朝のさえずりが、今日に限ってないのだ。
 サッと手早く身支度を整え、家の外に出た魔女は「なんだい、こりゃ!」と声をあげた。
 魔女の畑の端にたどりつくまであと少しの距離まで、装備を整えた軍勢が迫っていた。
 どうやら魔女の家を包囲する腹積もりだったらしい。
 大切な畑を踏み荒らされる前に気付いて行幸だった。

 杖を取り出し地面を軽く叩くと、畑を護る呪をかける。
 足を踏み入れる者があれば、棘のある蔓草がわきだすだろう。
 ただ、護るだけでは意味がないので、速やかにお引き取りいただかねばならない。

 兵は千人近くいるだろうか?
 それなりに広い草原が、戦闘準備を終えた軍勢で埋まっている。
 小さな家を背にして、小高い丘に建つ魔女の姿を認めたのだろう。

「降伏せよ! 再三の願いを踏みにじり、我が国王の召喚に応じぬ罪人として、大人しく縛につかれよ!」
 司令官らしい男が声を張り上げてきたが、魔女は眉をひそめた。

 意味がわからない。
 魔女はそもそも国家に属さないし、絶対中立で不可侵の存在だ。
 要請を仕掛ける側が非常識なのである。

 ただ、風にハタハタと揺れる国旗に、ちょっとだけ見覚えがあった。
 数年前に建国した新興国のものだ。
 あれと同じ紋章付きの封書が何度か届いたけれど、見知らぬ者から分厚い手紙を受け取る義理はないので、遠慮なく受け取りを拒否していた。
 ワイバーンの配達人は「つっかえしたりなんかして、ほんとにいいんですかい?」なんて困った顔をしていたけれど、あんな重たく分厚い紙の束は読むだけでも時間泥棒だ。
 受け取るだけ受け取って燃やすよりわかりやすいお断りだったのだが、迷惑なアレが国王様からの要請だったのだろう。
 受け取り拒否ぐらいで武力行使を思い立つような国なのだから、この先も関わり合いになりたくない相手である。

「傲慢な王の代理に問う! 魔女の呪いを受ける気があっての愚行か?」
 軽く顎を上げ「速やかに去れ」と傲岸に告げながら、大地に魔力を流しこむ。
 畑の果てに並んだ蔓草が命を得たようにうごめき始めた。
 害獣よけに棘のある蔓草で畑を囲んでいるのだ。魔女の力を注ぎこむとウネウネとうごめきながら巨大化した棘のある触手が、からみあい壁のようにそそり立って軍勢を威嚇した。

 この小高い丘は、魔女にとって特別だった。
 背にしているのは、弟子と暮らした家だった。
 軍勢が踏み込もうとしているのは、弟子が耕した畑だった。
 目の前に広がる風景のあちらこちらに、弟子との思い出が染み付いている。
 この場所を守れるなら、命ぐらい差し出してもいい。
 魔女にとってはそれぐらい、壊したくない大切なものになっていたのだ。

 攻め入るなら容赦はしないと魔女は告げるが、司令官は火矢を放つように号令を出した。
 目の前にいるのは「偉大な魔女」と呼ばれる者を屈服させる意味は大きい。
 侵攻の理由なんて後からいくらでもつけたせるし、名高い者を討伐すればそれだけで国家の箔が付くだろう。
 老女の持っている名声も名誉も、すべてを王国のモノにできるのだ。
 敵対行為に対する討伐という名目こそ灰色な案件だが、しょせんは後ろ盾のない魔女だ。
 引退してからの年月も長いし、その腕も鈍っているに違いないと踏んでいた。
 それを証明するように壁を作り防ぐばかりで、率いる軍にいまだ被害は出ていない。

 戦う気満々の軍勢に、魔女は眉根を寄せた。
 大地からあふれる蔦は押し寄せてくる軍勢の足を止め、火矢を防いでいたがそれだけだった。
 棘は兵士たちの肌を割いても、致命傷を与えていない。
 まして、鎧や盾を身につけている者も多く、追い払うには至らない。
 繊維の高い相手に対し、軽い脅しは通用しなかった。。

 どうしてくれよう?
 逡巡しているうちに、蔦の壁の一部が燃え落ちるのが目の端に見えた。
 馬に乗った兵たちがそこからなだれ込もうとしている。

 チッと小さく舌打ちして、魔女が杖を空に掲げた時。
 キラリ、と空の端に白銀の光が目の端に見えた。
 瞬きひとつの短い間に近づいてきたソレは、キシャー!! と鋭い叫び声と同時に一筋の光を吐いた。

 ズドドドドーン!
 激しい衝撃とともに、軍勢の三分の一ほどが吹き飛ばされて消えた。
 パリパリと小さな電光が地面に散り、鎧越しでも兵の身体に突き刺すような痛みを与えた。

「なんだあれは?」
「こっちにくるぞ!」

 突然の出来事に騒然する兵士と魔女の間に舞い降りたのは、白銀の鱗を持つドラゴンだった。
 キシャー! と再び威嚇の叫びをあげ、雷光のブレスで軍勢の一部を吹き飛ばす。
 地面すれすれに滑空したドラゴンの背から、武装した三人組が颯爽と飛び降りた。

「助けに来たぜ、クソババァ!」
 ジークはスラリと剣を抜くと、兵士たちに向かって突っ込んでいく。
 旅立っていた魔女の弟子ジークが、仲間を連れて戻ってきたのだ。

 再三、ジークが魔女を他の土地に呼びだそうとしていたのも、新興国の灰色の噂を耳にしたからだ。
 名の売れた者を選んで召し抱えている命知らずの王様だと思ったけれど、その誘いを断った元勇者が襲われたと聞いていた。
 面倒事は嫌いだと元勇者は霞のように姿を消していたが、次は偉大な魔女に関心を持つのは目に見えていた。
 権威に興味関心のない魔女がうなずく訳がない。
 手に入らなければ、消せばいい。
 そんな短絡的な性格の王だと有名だったので、討伐隊を差し向けることまで想定して、ジークたちは近くの町までとって返して様子を見守っていた。

 ジークの勇者直伝の剣技は混戦の中でも冴えわたり、片っ端から兵士を斬り伏せていく。
 大斧を振り回す戦士と昆を持つ白い服を着た軽装の男も、ジークの後に続いていた。
 多勢に無勢のはずなのに、絶妙のコンビネーションを見せ、ジークを援護しながら司令官に向かって突き進んでいく。

 軍勢はといえば数こそ多いものの、突然の乱入者とドラゴンの登場に、すっかり浮足立っていた。
 後方の者たちは前進を試みていたが、前線の者は圧倒的な戦力差に抗体しようとする。
 火矢を放っても畑の中央に舞い降りたドラゴンの翼の一振りで方向を変え、自軍の上にふりそそいぐ。
 ほとんど燃え尽きようとしている矢でも、頭上から落ちてくる炎を前に平静を保つのは難しい。
 統率を失った軍は右往左往するばかりだ。

 魔女はといえば、わなわなと杖を持つ手を震わせていた。
 弟子の登場を喜び、感動にうちふるえていた訳ではない。
 斜め前方から放たれた電撃は、魔女の家も半分ほど吹き飛ばしていた。
 大切に守り育てていた野菜も、今、弟子自らが完膚無きまでに踏みつぶして粉砕している。
 思い出の品と一緒に、大切にしていた何もかもを、弟子自らが木端微塵に砕いていく。
 図体は大きく育ったのに、中身は子供の頃のままで、ほどほどをわかっていない。

「この、クソガキ……!」

 とんだ阿呆である。
 その阿呆を育てたのは、ほかならぬ魔女だけれど。

「おどき! あたしの力を見せてあげるよ!」
 魔女は壊れてしまったものを、後生大事に護る気はサラサラなかった。

 魔女の叫びが届くとあっさり戦闘を放棄し、即座にジークたちはドラゴンに向かって走る。
 なにが起こるかわからないが、魔女の怒声はただ事ではなかった。
 一緒に暮らしたことのあるジークとドラゴンは、魔女の怒りに付随するアレコレを知っているから撤収も早い。
 ジークたち三人が背に飛びつくと同時に、ドラゴンはさっと空に舞い上がる。

 魔女は大きく杖をふり、ありったけの魔力を大地に流し込む。
 ズゥンッと地の底から振動が響き、大地の表面がトプンと沼のように波打った。
 そのまま大きな音をたてて、杖のふれた先から大地が大きく裂けていく。
 鋭く浅い割れ目は鋭く大地を走り、高速で枝分かれしながら広がって穴となるので、人の足で逃げる速度よりはるかに速い。
 悲鳴を上げながら兵士たちは穴の底に次々と落ちていく。
 揺れてはまりこんだ不安定な足場から、なんとか立ち上がっても頭上からふりそそぐ土砂に押しつぶされ、穴に埋もれて動けなくなった。
 地割れの衝撃が収まるまでしばらく時間がかかり、気がつくとすべての兵士たちの首から下は大地にすっかり埋もれていた。
 見渡す限りの、頭、頭、頭。
 土に汚れて身動きとれなくなった顔は、恐怖と混乱に彩られている。

「野菜みてぇだな」
 掘り返されたばかりの真新しい土の上に並んだ無数の兵士たちの頭に、ジークが乾いた声でポツリともらした。
 もともと畑だった場所だからかもしれないが、助けてくれ~苦しい~と細いうめき声が言葉通り地の底から響いてくるし、奇形のマンドラゴラが大量発生した図にも見える。

 目をこすっても現実だとは思えない光景が広が中。
 魔女だけは当たり前の顔をしていた。
 久しぶりに全力で魔法を放つことができて、疲れるどころか艶々としてその表情は輝いていた。
 すいすいと軽やかに司令官のところまで歩み寄り、土の上にのぞいた頭を手にした杖でコンコンと軽く叩く。

「で、どうする? 頭の先まで土に埋もれて肥料になるのと、蔦でくびり殺されるのと、どっちがお好みだい?」
 ひぃぃぃ~と青ざめる男の横に、ジークも近寄ってひょいとしゃがむ。
「騎士様らしく剣の介錯がいいなら、切り離すのを俺が手伝ってやるぜ?」
 悪乗りした悪党の表情で、ほれほれとばかりに輝く剣の切っ先を見せつける。

「撤収―! 全軍撤収―!」
 狂ったように叫ぶ司令官に、魔女はつまらなそうに背を向けた。
 撤収しようにも、全軍、土の中に埋もれている。
 身動きとれない状態だから、自力で脱出できるものもいない。
 放っておくだけで勝手に息の根が止まって、腐敗し肥料になってくれるだろう。

 二度とあたしに関わるんじゃないよとだけ言い捨てて、魔女は蔦の魔法でポイポイと投げだす勢いで兵士たちの身体をひっこ抜いた。
 出荷前の根野菜のごとく積み重なっていく兵士たちはしばらく呆けていたが、正気に戻った者から脱兎のごとく逃げだしていく。

 速やかな戦闘放棄は賢明な判断である。
 この程度で終わらせるのは我ながら甘いとは思ったけれど、怨嗟に満ちた土地を作る気はないし、無益な殺生をすれば禍根を残すだろう。

 それに、と魔女は振り返る。
 愛しい弟子とその仲間たちが、魔女を見ていた。

 一目でわかる。
 冒険の旅を、人生を楽しんでいる者たちだと。

 魔女の放った魔法を見てもニコニコと笑っている。
 弟子はもともとそういう気質だし、その仲間が弟子に似ていても不思議はない。
 かつての魔女と同じか、それ以上の希望を胸に生きている若者たちに出会えるのは、年老いた魔女には喜びでしかなかった。

「よく来たね、このクソガキども。あったかい寝床は消えちまったけど、今夜は休んでおいき」
 半壊した自宅の前に立ち、軽く毒づきながら魔女は微笑んだ。

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プロフィール

つばき

Author:つばき
はじめまして!
基本はほっこりで、自分ペースで楽しんでいます♪
恋愛・日常・友情などをテーマにした、オリジナル小説や詩も掲載しています。
著作権は放棄していません。
※無断転載・無断引用を固く禁じます。

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